キーを最大まで下げても、まだサビに届かない。かといって下げすぎると今度はAメロが低すぎて声にならない。そんな「どう調整しても収まらない曲」に対する選択肢が、オク下です。
オク下=1オクターブ下げて歌うこと
オク下(オクターブ下)とは、原曲より1オクターブ低い高さで歌うことを指します。カラオケのキー設定を変えるのではなく、歌う側が自分で低い音程を選んで歌うのが基本的な使い方です。伴奏は原曲のまま流れているので、メロディだけが1オクターブ下で重なる形になります。
女性ボーカルの曲を男性が歌うとき、あるいは極端に高いサビを持つ曲を歌うときによく使われます。「この曲は原曲キーだと無理だけど、オク下なら歌える」というのは、カラオケでは珍しくない状況です。
キー変更との違い
キー変更は半音単位で、曲全体を上下させる操作です。カラオケの機種では上下6〜7段階までしか動かせないため、それを超える差がある曲には対応しきれません。
一方オク下は、一気に半音12個ぶん下げるのに相当します。つまりキー変更では届かない距離を、一段飛びで埋める手段です。そして両者は組み合わせられます。「オク下にしたうえで、キーを+3」といった調整をすると、オク下だけでは低すぎる場合の微調整ができます。
オク下が向いている曲・向いていない曲
- 向いている:サビだけが極端に高く、Aメロは無理なく歌える曲。オク下にしても低音が破綻しにくい
- 向いている:異性のボーカル曲で、そもそも1オクターブ近い差がある曲
- 向いていない:音域そのものが広い曲。オク下にすると今度は低音側が自分の下限を割る
- 向いていない:ファルセットや裏声の表現が曲の魅力になっている曲。オク下だと印象が変わる
オク下の落とし穴:低音側を必ず確認する
オク下でよくある失敗が、サビだけを見て決めてしまうことです。1オクターブ下げるということは、曲の一番低い部分も1オクターブ下がるということ。自分の最低音を大きく下回れば、そこは声として鳴りません。
したがってオク下が成立するかどうかは、「サビが届くか」ではなく「曲全体が自分の音域に収まるか」で判断する必要があります。ここを見ずにオク下を選ぶと、高いところは楽になったのに全体としては歌いにくい、という結果になりがちです。
オク下は「妥協」ではなく選択肢のひとつ
キーを下げることやオク下で歌うことを、少し後ろめたく感じる人もいます。ですが、原曲キーはそのアーティストの声に合わせて作られたもので、聴き手全員に合うようにはできていません。ゴールは原曲キーで歌うことではなく、自分の声で気持ちよく歌いきることです。オク下はそのための道具のひとつにすぎません。
もちろん、原曲キーで歌える曲を増やしていくのも楽しみ方のひとつです。そちらに興味があれば原キーで歌える曲の見つけ方もあわせてどうぞ。
オク下で歌えるかどうかを自動で判定する
モチウタは、音域を登録しておくと、曲ごとに通常のキー変更で収まるかを判定し、収まらない場合はオク下での歌唱を提案します。その際、サビだけでなく曲全体が自分の音域に収まるかを見たうえで判定するので、「オク下にしたら今度は低すぎた」という失敗を避けられます。オク下にしたうえでさらに何キー動かせばよいかも、あわせて表示されます。